ぴよぴよ映画感想ブログ

都内の大学院生の映画感想ブログです。個人的な感想です、何かを否定するつもりはまずありません。私の備忘録代わりであることをご了承ください。

ネタバレ無し映画感想『ディクテーター 身元不明でニューヨーク』

 

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個人的点数:95点

 

概要

2012年、アメリカの作品。サシャ・バロン・コーエンのコメディです。邦訳した際にこういうサブタイトルが付いてるとコメディ100%なんだなってことは想像つきますよね。単に『ディクテーター』だけだとサスペンスやミステリーとしても成立しちゃいそうですから。内容は、タイトルの通りとある架空国家の独裁者がニューヨークで一般人として生活をするというものです。もう序盤から飛ばしまくりで、まずは「金正日に捧ぐ」というフレーズが併記された金正日の写真から始まります。最後までこのノリでずーっと続きます。何度も声出して笑いました。

 

風刺

まぁほんと100%コメディなんですけど、中には現在の「アメリカの“民主主義”」を皮肉っているシーンもあり、風刺としても面白いですね。多分アメリカの現状をよく知っている人からしたらなおさら楽しめるんでしょう。フェミニスト団体や人権団体、そして人種差別や経済格差など、政治活動や社会現状そのものに対する不満を全て愚弄した快作と言えます。悪徳な「独裁者」はそれを指摘するのが役回りです。面白いことにこの「独裁者」がコミカルであるからこそ、その風刺は耳にすんなりと入ってきます。まともぶった「独裁賛称プロパガンダ作品」なんかよりもずーっと心に訴えかけます。そういう意図が製作者側にあるとは到底思えないんですけどね。穿った見方をしてみただけです。

そもそも「独裁=悪」という構図こそが思い込みですものね。「独裁」であっても上に立つものが善政を敷けば、おそらく民主主義なんかよりも効果的に効率的に国家は運営されるはずです。今の民主主義国家の多くが持つ「民主主義以外は全部悪!」という先入観は、まず客観的に捉えないといけません。私は民主主義を否定するつもりもありませんし、肯定的に捉えてはいますけどね。ですが万能だとも思っていません。

 

不謹慎なユーモア

9.11のテロをネタにしたシーンがあります。先に挙げた金正日の他にはビンラディンフセインにも言及があります。そして、それが面白く映ってしまうんです。これはきっと私の精神がひん曲がっているからとかそういうことではなく(そうかもしれないんですけど)、「あえてタブーへ言及する面白さ」というものがあるのでしょう。

「タブー」の中にも度合いがあります。「生死」に関わるものは最も程度の高いタブーだと思います。ではそれはなぜなのか。私は、「生死」というのは「誰もが体験するものであるため、傷つく人が多い」という点がそのタブーの強さを高めているのではないかと考えています。親族やペットを無くして悲しむ経験は誰もが持っていることでしょう。「誰もが経験する」からこそ「傷つく場合が多い」ので、言わないほうが無難であるのです。

では9.11はどうでしょうか。テロは恐ろしく許しがたい行為ではありますが、その当事者となる人はごく一握りです。当事者でない傍観者からすると、それは「野次馬根性」を刺激する部分が強くあるはずです。勿論その本能的好奇心を超えた部分で理性が作用するため、まともな人間は「9.11に不用意に言及することは不謹慎だ」という感覚を表にだします。ですがこれはあくまで人々によって表に出されている上っ面なだけであって、その中に隠されている本心は他人には分かりません。つまり極端にズバッといってしまいますと、「9.11は大事件だけど俺には関係無い」という姿勢が、この「不謹慎の面白さ」には内包されているんじゃないかなと、そう考察出来なくもないと思っています。この映画にはそういう部分を上手く刺激する装置が整っていました。『サウスパーク』というアニメがありますよね、あれとすごくにています。 実写版サウスパークのノリです。

 

 総括

非常に良く出来たコメディです。アメリカのコメディにありがちな、露骨に下品な部分がちょっと目立っていたため95点にしましたが、もう満点付けちゃいたいレベルの傑作です。「Wiiテロリスト」には本当に笑った。誰かと一緒に見ると品性を疑われるかもしれないので、一人でこっそりみて笑ってください(と、こう言ってる私の品性を疑うのはやめてくださいね)。

ネタバレ無し映画感想『1922』

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個人的点数:80点

 

概要

 2017年、アメリカの作品。Netflixがオリジナルに製作したもので、映画というよりは長編ドラマの感覚で見たほうが良さそうです。原作はスティーブン・キング、そしてトーマス・ジェーンが主演を務めます。農場の土地を巡り妻と対立した男が、悪事に手を染めて人生を狂わすストーリーです。

 

キング作品

スティーブン・キングは大好きなのですが、大好きというのはスティーブン・キング原作映画のことであって、実は小説そのものはあまり読んだことがありません。『ミザリー』と『死のロングウォーク』を日本語訳で読んだくらいですね。前者は同名の映画にハマり購入したもので、後者はまず映画化できないであろう内容を盛り込んだ名作と聞いたので読みました。『死のロングウォーク』はとりわけ面白く、内容としては少年たちがひたすら歩く競技に参加し、歩みを止めた人から撃ち殺されていく生き残りゲームを描いたものです。「少年たちが射殺されていく」という描写はさすがに映画化できないだろうという下馬評だったのですが、なんと実写映画化がアナウンスされましたね!!わーい楽しみだ!絶対劇場でみるぞ!!

キング原作映画の恐怖というのは他の映画と違って、急に「ワッ!」と驚かすような怖さではなく、もっとじわじわと締め上げてくるような妙な感覚がありますよね。そもそもいきなり「ワッ!」ってされたら動物だって驚くんですから、この演出を多用する作品は好みません。思考を刺激して恐怖を覚えさせていただきたい。キング原作映画は考えれば考えるほどゾワッするので、しかも不気味なんですよね。鳥肌がたつ怖さではなく、後味の悪さが残るんです。だから陰鬱なキング作品を全部ホラー映画と一括りにしたくはないです。

 

小説に忠実なのか

本作の基となった小説は読んでいないのですが、映画を見て初めに抱いた感想は「非常に小説に忠実なのではないか」というものです。他のキング原作映画も、原作に忠実なものもあれば映画として脚色したものもあります。そんでもって、得てして「映画として面白い」ものは脚色されたものです。『シャイニング』なんかは好例ですよね。キューブリックの『シャイニング』は原作の大事な部分を無視して作られた完全ホラー映画で、キングはその出来栄えに批判を繰り返し、自身でドラマ版『シャイニング』を再作成しました。どちらも見ましたが、映画として面白いのはキューブリックの作品でしたね。ですが、原作に忠実なのは後者なんです。「『シャイニング』っていうタイトルはこういう意味なんだ…へぇー」と思わせてくれるのが後者です。

本作が原作に忠実なのではないか、と思わせる要因はまさにここにあります。内容としては首尾一貫しており、全てにおいて納得ができる一つの芸術作品に落ち着いています。しかしながら映画としてのメリハリは正直少ないのです。役者陣の演技は素晴らしいものがありますし圧倒されるのですが、90分の映像化作品としてはもっと振れ幅がほしいのです。テーマが異端なものであるから、なおさらその気持ちが強く残ります。とはいえ決してつまらない作品なんかではなく、作品の内容を90分という尺のなかに豊満に詰め込んでいる様子は伺えます。

まぁここまで偉そうに語っていて、原作とは全然違ったりしたらこっ恥ずかしいんですけどね!所詮原作を読んでいない素人の邪推と考えてください(ぜはははははははは!!!)。

 

総括

キング原作映画の中では『シークレット ウインドウ』に近い感じですかね。若干凄惨なシーンもありますし、ホラー要素もあります。ですがこれはホラー映画というよりは、男の転換点を描いた物語って感じですね。露骨な幽霊が出てきたりしませんし、ゾンビとかでもないですし。Netflix限定ってところがミソなので、折角ですから加入している人は見ましょう。

ネタバレ無し映画感想『マジカル・ガール』

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個人的点数:85点

 

概要

2014年、スペインの作品。出演しているのはルイス・ベルメホやバルバラ・レニーという俳優さんだそうです。正直スペインの作品なんて滅多に見ないもので、名前も聞いたことありませんでした。白血病で余命僅かな娘のために夢を叶えてあげようと奮闘する父親と、その熱意の矛先を向けられてしまった周囲の人間とがそれぞれ織りなす、なんというか不気味なお話です。すれ違いと善意・悪意とがぐにゃぐにゃに絡み合って悲劇へと向かいます。面白いなぁと思ったのは、ルイス・ベルメホはルイスという名前の役で、バルバラ・レニーはバルバラという名前の役で、それぞれ登場している点です。実名を役に付ける場合、実際の登場人物として扱う(『ジャックとジル』のアル・パチーノや、『古畑任三郎』シリーズのイチローのような)ことが殆どでしょうが、今回は実在の役者がそのまま役者役として生きているわけではありません。ゼロから創り上げられた役のはずなのに、役者の名前をそのまま用いています。こういうメタって欧州映画では散見されたりするのでしょうか?役者を熟知している視聴者はどういう印象を持つのか気になるところですね。

 

音のない世界

2時間ほどの映画なのですが、まず印象を受けたのは「BGMの極端な少なさ」でした。ところどころBGMは流れるのですが、それは劇中でラジカセなどから流れているものであって、演出として編集して付けたものではありません。緊張したシーンで煽り立てるようなBGMも、ほのぼのとしたシーンで和ませるようなBGMも、この映画には何一つないのです。だからこそなんでもない親子の会話のシーンが殺風景に映り、笑顔を含んだ団欒が陰鬱なものとして見えてしまう効果を持たせます。この静かさが妙に気味悪く、ずっと図書館の中にいる感覚に陥ってしまいます。視聴する人の中には、自身の呼吸音にさえも過剰に反応してしまう人も少なくないかもしれません。それほど静かで異様なムードに包まれているんです。

そもそもBGMというのは、そのシーンにおける製作者側の意図を視聴者に媒介する効果を持ちます。テロップのようなものです。どんなに温和な風景だとしても、そこにヒッチコック『サイコ』のあの有名なBGMが流れれば、見る側は「あれ?これは何か警戒すべきなのかもしれないぞ?」と思案しますし。逆もまた然りです。BGMはシーンの意図を明示するんです。

だからこそ本作でのBGMの少なさというのは、見る側に不安を与えます。このシーンってどうやって見ればいいんだろう?と。BGMに頼りきって自身で思考することをやめていた我々の怠慢に気づかせてくれます。謎の場面の解決は自分自身で行うしかないわけですね。そしてずるいことに、本作には情報の少ない状況というのが多数でてくるのです…。

 

どこかのレビューで「この映画は「愛」の映画だ」とありましたが、私もそう思います。無垢なものもひん曲がったものも現れています。父娘間の家族愛、男女間の肉体的情愛、夫婦愛、自分かわいさからくる自己愛、ロリコン的父性愛、と盛りだくさん。ここまで人の欲望がそれぞれ素直に出ているのですから、軋轢が生じないわけがなく。一番哀しいのは、父娘間の愛にすれ違いが生じてしまった部分ですね。哀しくもあり、これが映画を一番盛り上げているものでもあって…子どもの純真さってのは親には必ずしも理解されるものではないんですものね。子の心親知らずですよ(なんか奥歯が痛む表現しちゃった)。そして先にも述べましたがこうした様々な愛の後ろ盾というのはあまり語られることがないので、勝手な想像で補完しなければならないのです。だからこそ各々の持つ「愛の強さ」というのが明確でないため、愛ゆえの行動の妥当性が揺らいでしまいます。「これってやりすぎじゃないのかな…それとも仕方がないことなのかな…」という思いが巡り巡って映画は終わってしまいます。

 

総括

昼間に見る映画ではないです。夜中に劇場でこっそり見たい作品です。ポスターずるいですよね、下にはコスプレをした少女(日本のアニメが大好きな設定です)がいて、上にはおでこから血を流している女性。この一枚絵だけで興味アンテナはピコンピコンと作動しちゃいませんか?作動した人は是非見てください。作動しない人は多分見ないほうがいいです、好きな映画ではないと思います。

映画のテーマソングは長山洋子「春はSA-RA-SA-RA」です。劇中でも何度か流れます。終わったあとは思わずスキップしてテーマ曲を口ずさんでしまうような…いえ、そんな映画では全くありません。寧ろ曲のイメージを一変させてしまうような衝撃が含まれています。

ネタバレ無し映画感想『ブロークン 過去に囚われた男』

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個人的評価:95点

 

2014年、アメリカの作品。アル・パチーノ主演、ホリー・ハンターがヒロイン役です。老人が思い出の美しさと現在の惨めさから苦しみもがく作品です。柔らかい雰囲気の中でとくに起伏も無い日常的ストーリーがダラダラと続きます。ですが、その中にきちんと見るべきものがあり、しかもアル様が演じるわけですから!

 

アル・パチーノキャスティングの最適解

主演がアル・パチーノだから見た作品でした。私はアル・パチーノが本当に好きで好きで…。最初の出会いは中高生のときに見た『セント・オブ・ウーマン』だったと思います。この俳優はなんなんだ!なんでこんな魅力的な芝居が!という衝撃。日本の俳優で一番好きなのは西田敏行なのですが、ハリウッド俳優で誰かと言われるとアル・パチーノ(次点でロバート・デ・ニーロ)です。もうアル・パチーノはいるだけで映画に華を添えてくれます。「あ!アル様が出てる!」っていうメタ的な存在感も勿論なのですが、それ以上にお芝居で見逃せない雰囲気を示してくれますからね。

個人的にですが、アル・パチーノには多少屈折した役が似合っていると思うんです。『スケアクロウ』のような三枚目役でも勿論悪くはないのですが、本作や『セント・オブ・ウーマン』のような、一見クールでありながら内に情熱を(ともすれば激情を)常備している不器用な気難し屋というタイプが適切だと考えます。穏やかな状態が多いんだけれど、笑顔をいつも湛えているわけではなく、着火点が不明な時限爆弾のように突然癇癪を起こすような、そういうタイプがアル・パチーノとしてはいいんです。デ・ニーロに笑顔は似合いますが(不安な印象を多く与えますけども)、この人には笑顔が似合うとはあまり思えません。つまり、苦しみ怒れる不器用な老人役というのはキャスティングとしては最適だと、私は感嘆しているんですねぇ。

多分この主演を彼以外が務めていたらまず私は見ることはなかったでしょうし、それ以上に映画が終には駄作に堕してしまっていたかもしれません。それくらい難しい脚本です。スローで平坦な映画というのは見る人を選ぶと思います。アル・パチーノが主演だということでまず興味を惹かせ、彼の本質的に見事なお芝居によって脚本を映えさせています。もう1時間半ずーっとアル・パチーノですよ、彼がいないシーンを探すほうが難しいです。彼の芝居を詳らかに観察してみてください、全てに魅力が溢れています。視線、目つき、表情、動線、感情、もうね全部が非の打ち所のない完璧なものです。とくに目。目だけでこれだけ訴えかけてこれる役者はなかなかいないですよ。老人役ですしアル・パチーノ自信ももう高齢ですから動きそのものに客観的な激しさはないんですけど、でも演技と演出がそれを補い、見るものをハラハラさせる部分が多くあります。老人の動きでハラハラすることなんてあまりなくないですか?老人が爆弾処理してるときとかくらいじゃないですか?(どんな状況だよ)

 

過去と現在

みなさん、お持ちの思い出は美しいものばかりですか?私は美しい思い出を多く持ち合わせていません。もちろんそんな思い出も無くはないのですが、多くはショックを受けたり後悔するような嫌な思い出です。人間嫌なものはずっと忘れないと思います。もしくは、過去の幸せを手放してしまったりしたときの後悔のような記憶。あの時ああしていればなぁ、過去に戻りたいなぁ、やり直したいなぁ、というやりきれない後悔です。現実的に考えてみれば、過去に戻れるわけなどなく、その後悔を糧に未来をもっと良くしていこう!なんていう前向きな考え方がベストなんでしょう。そんなことはみんな分かっているんですよ、「やまない雨はないよ」なんていう軽口があるでしょう?あんなのみんな分かっているんですよ。でも当事者からしたら、その理性的正解を認められないほど感情的になってしまうことがあるんです。おそらく誰もが経験ありますよね。この感情の暴走こそ、人間が動物たる所以ですから。そういうときは、ただ時間が過ぎるのを待つしかありませんね。どんな理性的思考よりも啓発的言説よりも、時間が良薬です。

本作の主人公は過去の美しい思い出が現在の自分にのしかかってしまっています。それは嘗て失った最愛の人であり、その思い出の存在が自身の余裕を逼迫させ、周りの人間を疎んじます。唯一心を開くことができるのは孫であり、きっとこれは「責任をもつ必要のない親族」ということが大きいでしょうね。息子とも友人とも恋愛に発展しそうな女性とも上手く関係を築けません。これを単なる「老人の孤独」で済ませてしまうのは、すこしもったいないです。これは「孤独」の物語ではなく、「過去」の物語です。邦訳サブタイトルにもありますが、過去に囚われています(このサブタイトルが適切とは思えませんが)。孤独ではないんです。年齢という障害からも過去から脱却してやり直すことの出来ない男の話です。一見情けなくも映るのですが、こういう経験は誰にもあります。過去への未練や忸怩が今の自分を不本意に突き動かしてしまうやるせなさ。ずーっと、この誰もが経験し得る話題を展開していきます。いや、展開ではないですね。継続です。大きく変わることはないので。それを魅せてくれるのが、何よりアル・パチーノの芝居なんです。

 

総括

巷での評価はあまり高くないようですが、私はこれは名作だと思います。確かに序盤、テーマを理解するまでは時間がかかり始めの30分くらいは飽きてしまう部分もありました。しかし、途中から一変します。ダラダラと見せられた退屈な独白が効果的に後押ししてくれて、佳境に差し掛かります。そして物事が変化していくと思わせるような終盤。更にはあのラスト。ラストいいですねー、ほんとに。兆しなんですよラストのあの演出は。ずるい!しかもアル・パチーノの目の芝居。わぁ!ってなる!!

アル・パチーノ好きなら絶対見ましょう。アル・パチーノを初めて見る場合は、他の出演作を2,3本みてからこれを見たほうがいいです。あぁ、この映画って本当に彼のための映画なんだな、と実感できますから。

ネタバレ無し映画感想『怪盗グルーのミニオン危機一発』

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個人的点数:95点

 

概要

2013年、アメリカの作品。イルミネーション・エンターテインメントの『怪盗グルー』シリーズの二作目です。前回は主人公が悪玉の立場でしたが、今作では善玉になって活躍します。CGアニメらしい笑いどころはしっかり抑えていて、前作よりもストーリーもキャラクターの個性も進化しています。

 

様々な愛

前作でも出てきた三人姉妹ですが、前作よりも主要キャラとして確立しており、彼女たちとグルーとの家族愛というテーマが根本にドスンとあります。さらに諸々の「家族愛」が登場し、おそらく端的にまとめるとすればこの単語が適切でしょうね。

また、色恋という言葉が似合う「愛」も登場します。主人公にも子どもたちにも愛する相手ができ、アメリカの恋って積極的なんだなぁと思わせてくれます。アメリカ人と恋をしたことはないのでよくわからないんですが、話を聞いた限りでは、アメリカには日本のように「告白する」→「交際する」というステップがないそうなんです。雰囲気で恋人になるみたいですね。契約社会のはずなのに、こういう部分は緩いんですね(あくまで伝聞です、実際がそうなのか保証はないですので悪しからず)。「私達、付き合ってるんだよね…?」みたいなあのよくありがちな展開にならないんですか?上手くやってるんですかね。

 

ミニオンたちの純朴さ

人を疑うことなく常に前向きで健気なミニオンたち。その魅力は今作でも十二分に伝わってきます。本作を見た時点では、まだこの生物が何なのか全くわからないですし(スピンオフ作品の『ミニオンズ』という映画で明らかになります)、お世辞にも手放しで可愛いとは言えない外見なのですが(個人的には、です)、憎めないんですよね。「悪意がない生物」というのは、不快害虫のようによほどひどい外見でない限りそのように思えてしまうものです。そもそもヒト以外は悪意なんて持ちませんものね。ヒト以外の生物はみんな素直です。ミニオンはやはりヒトとは違う存在としての描写が大きいのでしょう。話す言葉が理解不能という点も、それに拍車を掛けています。きちんとした話をする知能は驚異にもなりますからね。猜疑心にあふれるヒトという存在は、自分以外の知能を異常に怖がりますので。

 

総括

可愛いアニメーションですが、やはり前作と同じくピクサー作品とは毛色が違います。ピクサーは優等生です。今となっては、偏ることなく満遍なくCGアニメ作品を見ていればよかったなぁと思う次第です。ピクサーがCGアニメの王道というイメージが焼き付いてしまっているため(王道なのかもしれませんが)、どうしてもそれをベースに他の作品を見てしまう癖がついてしまっています。しかしまぁCGアニメって面白い作品おおいんですね、『アイス・エイジ』とかも見なきゃ!

ネタバレ無し映画感想『ミッション:インポッシブル/フォールアウト』

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個人的点数:90点

 

概要

2018年、アメリカの作品。トムクルーズ主演の『ミッション・インポッシブル』シリーズの六作目です。御存知の通り、スパイもののアクション映画で、イケメン主人公が正義のために大活躍する典型的な勧善懲悪映画です。スパイものはほぼ間違いなく面白くなるし、というか面白くならないように作るほうが難しいんじゃないかな。

 

トム様ってもう50代なの!?

みなさんご存知でしたか!?トム・クルーズってもう50代なんですよ!!!!しかも2018年現在56歳。シンジラレナーイ!!!!!!相変わらずイケメンだし筋骨隆々だし衰えを知りませんね、こいつ(何様)。考えてみると『ミッション・インポッシブル』のはもう20年前ですから、妥当な年齢なんですよね。どうやって生きたらこんな若々しい姿を維持できるのかな。処女の血でも飲んでるのかしら(ダークファンタジーか)。

そうそう、しかも2020年には『トップガン』の新作やるんですよ!?もーね、トム・クルーズファンとしては絶対に見逃せない。どうせかっこいいんでしょ?30年ぶりの『トップガン』続編とかよく引き受けたよね、よほど自信がないと無理ですよ。トム・クルーズはルックスも心持ちも本当に一握りのトップ俳優なんだよなぁ…。

 

これも4DXで見たんだー

面白かったです、4DX。なんどもいいますけど2時間ずーっとアトラクションですからね、つまらない訳がない。ほんとおすすめですよ。まぁ3Dはあまりいただけませんが…4DX2Dが一番いいですね。

劇中で飛行機が墜落するシーンがあるんですが、その時の席の揺れがヤバタン(無理やり使ってみました)。ぐわんぐわんーってなってがーっとなって最後はドドドドドと心臓ばっくばくでもう。今のオノマトペで察してください、もうすごかったんですから!ポップコーンなんて持っていたら散らばってましたよ。劇場版『ビーン』と同じように座席からぶっ飛ぶんじゃないかと思うくらい、もうしがみついていました。すごかったなぁほんと…。

 

オールスター大集合

なんだかんだでずーっと出てるルーサー役のヴィング・レイムスも登場しますし、途中からレギュラーの座を射止めたサイモン・ペッグも出ます。トム・クルーズの奥さん役として以前登場したレベッカ・ファーガソンも出てきますし、前作の悪役、ソロモン・レーン役のショーン・ハリスも出演。シリーズ通して見ているファンとしてはワクワクものです。まぁもちろん大物が集まれば見どころは分散してしまうところは仕方ないのですが、それでも個々のキャラが生きてる形で作品として完成されているので、残念なところはありませんでした。

 

総括

結局トム・クルーズかっこいい!で落ち着くんですが、ハラハラどきどきは当然盛り込まれているため2時間ずっと楽しめます。続編を是非期待したいですね。分かっているんですよ、どうせ最後は時間ギリギリに兵器や爆弾を解除したり施設から逃げ出したりするってことも。だってずっとそうなんですから。でもそのお約束をトム様で劇場で見たいんです。娯楽映画ってそうやって楽しむものでしょう?

唯一私が残念だったのは吹き替えの質でした。じゃあ字幕で見ろよ、というご意見もあると思うんですが、4DXでは吹き替えしかなかったんですよね…。すごく悩みました、4DXを取るか字幕を取るか…で、大好きな4DXを選んでしまったんですね。

吹き替えに映像役者やアイドルを用いることに抵抗は全くありませんが、利権が絡んだために適役でないキャスティングになってしまうところは、日本映画界の非常にがっかりする部分です。映画が営利目的になってしまうのは仕方ありませんが、作品を壊さないところで利権を絡めてほしいです。タイアップ曲とかが全く雰囲気にあって無くて台無しになることなんて多いですからね。

おすすめは字幕です。字幕4DXで是非!座席のぐわんぐわんを体験してくださいね。

ネタバレ無し映画感想『ジュラシック・ワールド/炎の王国』

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個人的点数:95点

 

概要

2018年、アメリカの作品。クリス・プラットブライス・ダラス・ハワードのコンビが主演のSF映画です。恐竜があばれる名作シリーズの一つですが、今回はジェフ・ゴールドブラムが登場してくれたところがすごく嬉しかったですね。マルコム博士だ!!!

 

4DXは注意

私は4DXで見ました。SFやアクションの大作は基本4DXで見たいと考えています。本作もドタバタのアクションシーンがてんこ盛りですからもちろんすごく楽しめたんですが、が!ちょっと注意が必要なのが、水の演出です。特に後半、雨のシーンが非常に多く、めっちゃ濡れました。メガネ掛けていったんですけどメガネ拭くのが煩わしくなるほど濡れました。雨のシーンでずーっと水かけなくてもいいだろ!って若干思っちゃいましたね。4DXで見る際は気をつけてくださいね。水の演出はオフにできますからしましょうね(頑固にもオフにしなかった人)。

 

可愛くてかっこいい

恐竜ってのはやっぱり基本は怖いものです。人間よりはるかに大きく、はるかに力があって、運動能力も高い。何より人間を捕食するんですから。そしてその恐ろしさは畏敬に対象になり崇拝の対象になり、そこから「かっこいい」という憧憬が生まれます。男子は特に憧れませんでしたか?私は子どもの頃に恐竜展とか連れて行ってもらった記憶があります、好きでしたねぇ図鑑とか眺めてました。

一方で恐竜って進化して鳥になるんです。チチチチチって。ピピピピピって。ピヨーチョピヨーチョって。鳴き方はどうでもいいですが鳥になるわけですから、可愛いんですよ。鳥って可愛いでしょ?怖い鳥もたまにいるけど、基本可愛いじゃないですか。あちこちにフンするけど可愛いでしょ。『ジュラシック』シリーズの恐竜にももちろんその可愛さがありあす。今回出てくる恐竜も、かっこいいものから可愛いものまで満載です。

 

ヒトと関わり方

シリーズ通してずーっと語られているのが、ヒトと恐竜との接し方ですよね。結局ヒトが恐竜を利用しようとして生み出して、恐竜の力に圧倒されて彼らの独立を認める感じになります。で、また一部のヒトが恐竜を利用しようとしてその力に圧倒されて…。と、ずーっとこれをやっているわけです。それでも面白く魅せてくれるところはさすがハリウッドですよね。

本作でも恐竜を利用しようとする人たちが出てきて、そのために出る被害を守ろうと主人公たちが悪戦苦闘します。もう恒例行事なんですけど、色々とハラハラドキドキ場面あるので見てください。あ、是非劇場で見てください。

 

総括

先にもいいましたが、是非劇場でご覧くださいね。家のテレビが大きい人は家でもいいと思いますけど、でも迫力には欠けると思います。こういう大衆娯楽SFってのはやっぱり劇場でみてなんぼの作品です。そんでもって恐竜賛美且つ決まりきったお話の内容ですから、安心して鑑賞できますよ。シリーズものって「もー、なんかい同じことやってんだよう」ってやっぱり思っちゃうんですけど、それでも毎回見に行っちゃう。それで毎回すぐ内容忘れちゃう。その繰り返しです(記憶力の低下)。あー面白かった、次回作出たらまた絶対みよう。